サステイナブルな都市型オフグリッドハウスに住んでみる

Michiko JUTO Michiko JUTO
成瀬のオフグリッドハウス, abanba inc. abanba inc. Casas modernas: Ideas, diseños y decoración
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みなさん「オフグリッドハウス」って知っていますか?グリッドは電力会社の送電網を指します。つまり電力会社からの電力供給を使用せず自然エネルギーなどを利用した自家発電によって環境を意識したサステイナブルな暮らしを目指す住まいのことなんです。ご紹介するのは都内の密集する住宅地に建てられたABANBA INC. の手がけたオフグリッドハウス。狭小地にもかかわらずエネルギーを自給自足できるシステムを備えた住宅です。

狭小地でも可能な省エネ設備完備の住宅

わずか70㎡の敷地の周りは戸建て住宅が建ち並ぶ典型的な都内の住宅地。幸い敷地の3方向には道路を含め、程よい「空き」のある立地なので窮屈さを感じさせません。道路に面した部分は三角形の駐車スペースを確保。ベージュの塗り壁と白の金属板葺きのカジュアルな雰囲気を持った外観です。この敷地内にオフグリッドな暮らしを支える設備が全て設置されています。

パッシブなデザインも積極的に取り入れる

こうして見るとこじんまりとした佇まいですが、実は延床面積が55㎡ほどのかなりコンパクトな住まいなんです。でもオフグリッドのための設備はばっちり搭載。屋根には電気と熱の両方を作り出すハイブリッド太陽光パネルが設置されています。同時にパッシブなデザインも取り入れ自然エネルギーを享受。西側のファサードには大きな開口を設け、さらに木製のルーバーのスクリーンを設置。柔らかな目隠しにもなり西日を和らげる日除けとしての役目もしてくれます。是非参考にしたい格子のファサード、「目の前に水田が広がる平屋建ての家」でも採用しています。

高気密高断熱の建物

左手の白いドアが玄関ドアです。1階は土間と小上がりの板の間で構成されています。ペレットを燃料にするストーブからの熱は床下に送風され、床下暖房として機能します。電気ヒーターなどとは全く異なる快適な暖かさは体にも自然環境にも優しいんです。断熱効果の向上を図るため、コンクリート造で作られたこの住宅、外断熱を採用しています。内部は打ち放しのままで杉板の型枠による味のある表情がカッコいいですよね。

コンパクトなのに広がりや変化を感じさせる空間

床から天井までの開口は断熱性の高いトリプルガラスを採用。小上がりにはペレットストーブで作られた温風の吹き出し口を設けています。玄関周りの土間空間と仕切れる引き込み戸を設置してるので、独立した板の間の空間にもなるフレキシブルな空間構成になっています。どこにでもあるような普通っぽい材料を使用したシンプルな造作のカウンターや収納もこの住宅にぴったりですね。

必要なものだけを身近に置く生活

2階です。ステンレスと木板のキッチンやあえて見せているダクトなどがインダストリアルなテイストでお洒落ですよね。限られたスペースそしてミニマルなライフスタイルには無駄のない設備や調度品が不可欠です。この住宅では夏場は太陽熱を利用した熱源利用空調機と敷地内に新設した井戸からの給水を使ったファンコイルユニットによる冷房システムを併用。自然エネルギーを最大限に生かした豊かな暮らしを実践しています。

和室もある豊かな住まい

キッチンの反対側は多目的に使えそうな和室と板の間のスペースが広がります。杉板枠の質感が和の空間ともうまく調和していますよね。勾配天井も打ち放しコンクリートのまま。左手の床部分にはすのこを採用し、1階からの暖かい空気が2階まで届くような仕組みになっています。

実は相性の良いコンクリートと畳

インダストリアルな雰囲気の空間を横切る白木の鴨居。障子を閉めれば落ち着いた茶室にもなるタタミスペースです。奥のコンクリートの壁に設置されたガラリは冷房設備。ドレーキップ窓を採用するなど消費エネルギー削減そして住性能を最適化させるための実に様々な工夫が凝らされています。

参考にしたいお洒落な省エネ住宅

様々な技術を駆使した設備投資をするとなるとイニシャルコストの割合が増えることもあります。しかし長い目で見れば、地域環境そして地球環境のレベルでの負荷軽減を図ることができるんです。さらに立地に見合った自然エネルギーを最大限に生かし、多少の不便さも生活の一部として楽しめるようなライフスタイルを実践する人が増えていきそうな気がします。お洒落でエコロジカルな暮らし、目指してみませんか。

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