ドイツ、オーストリアが起源とされるバウビオロギー(建築生物学・生態学)の考え方に基づいた環境建築は、昨今日本でも話題になっているテーマです。建物の外観だけでなく、使用する材料にもこだわって、人にも環境にも優しい建築を作ることはこれからの時代ますます必要とされてくるでしょう。このような考え方に基づき、漆喰仕上げや無垢材などを使用して建てられたのがモリモトアトリエによるこちらの住宅です。自然あふれる場所に建てられた、どこか懐かしい雰囲気を持つこのセカンドハウス。このような家で休暇を過ごせば心身ともに安らげるのではないでしょうか?
昭和の住宅を彷彿とさせる木造の落ち着いた外観。南側には大きな開口と縁側があり、とても気持ちの良い空間となっています。また漆喰と木製サッシの明るく暖かみのある色と、木部のダークで落ち着いた色のコントラストが美しく緑に映えます。
玄関周りの小物や建具にも昭和をイメージさせるこだわりが随所に取り入れられています。和風のアンティーク照明、玄関戸の錬鉄製の引手、玄関戸を水はねから守る銅板張り、手づくりの郵便受け、杉板でつくられた雨戸等々。どの要素もどこか懐かしいのに、古さを感じさせません。
和室とリビングは障子を開ければ一続きとなり、非常に開放感があります。どちらの部屋にも大きな窓があるため、部屋にいながらにして外の自然を満喫でき、またとても明るい空間となっています。内壁は左官職人による昔ながらの漆喰仕上げですが、これらの伝統的材料、工法は体に優しいのはもちろん、日本の気候に合っているため、建物の性質としてもとても有意義なものなのです。また床に置いてある照明は、和紙職人による手づくりのもので、ここにも和モダンへのこだわりが感じられます。
リビングと和室の前には縁側が設けられています。昔から日本の住宅には欠かすことのできない要素である縁側。外部空間と内部空間を緩やかにつなぐ縁側に腰かけて周りを見渡せば、目の前に広がる自然をもっと身近に感じることができるはずです。気の向いたときにリビングや和室から素足ですっと外に出れることは、小さな贅沢といえるでしょう。
セカンドハウスとして建てられたこちらの住宅は、平屋+小屋根部屋という構成で、面積は決して広くはありませんが、趣味で楽しめるような小さな茶室もしつらえられています。ジュラク塗の壁、杉板天井、漆塗りの床板や漆和紙など「和」の材料にこだわって作られており、シンプルながらも本格的な茶室です。
デザイン、材料、工法すべてにおいて和風モダンへのこだわりを感じさせる今回の住宅。昔ながらの日本の良さを現代に合った形で取り入れることによって、心にも体にも優しい家が実現しました。
【和モダンについては、こちらの記事でも紹介しています】
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