都心から少し離れた学園都市に建つKICHI ARCHITECTURAL DESIGNが手がけた住宅を紹介します。周囲は典型的な区画で住宅が立ち並ぶ街並にひと際目立つ白塗りのガルバリウム鋼板の外観。決して奇を衒うデザインではないですが、素材の使い方や微妙な形態が生み出すユニーク性によって街並に変化を与えています。複数のボリュームが中心に発生したヴォイドを囲むように空間構成されており、あたかも広場を中心に建物が立ち並ぶようなイメージで計画されました。
ガルバリウム鋼板と漆喰壁で構成される真っ白なファサードに木製サッシの開口がアクセントとなって柔らかな表情を街並に与えています。道路側はセットバックにより駐車を十分に確保し、それによって生じた長めの玄関アプローチがユニークです。
側面から見ると台形のフォルムを持つ家。ちょっとした異質性によって単調な街並に変化をもたらします。プライバシーの確保から周囲に対しては開口を抑えており、シンプルなファサードがさらに強調されます。
開口部を近くで見たところです。正面ファサードが斜めになっているのでさらに壁厚が増し、程よい庇が確保されています。
玄関アプローチです。開放的な外空間から屋根のある玄関前まで続きます。ヨーロッパの古い石畳をイメージした玄関アプローチは砂利を敷き詰め、フラットな表面をもつ塗り壁に対して凹凸のあるテクスチャーで変化をもたらします。また茶室前の路地空間のように外から内へ、またその逆も然り、気持ちに変化を引き起こす空間でもあります。閉鎖的にならないように大ざっぱな桟で構成される門は、その先に続く住宅への興味をそそりますね。
店舗のようにパブリック性の強いガラス入りドアを玄関に採用する住宅は珍しいですね。木製枠でナチュラルな印象に仕上げています。 広々とした モルタルの土間がモダンな雰囲気を出しています。
この家の特徴は中心に計画された吹き抜け空間です。リビングダイニングからキッチンへと続きます。半透明の塗装剤を施したウッドフロアや骨組みと漆喰壁で構成されており、ナチュラルテイストたっぷりの明るい印象のインテリアです。
2階の居室と吹き抜けを隔てる壁に開口を設けることで、空間に連続性そしてお互いの緩やかなインタラクションが生じます。広場に対して街並を形成するように計画された内部空間です。
シーリングファンや照明、ハンモック等、空間ににぎわいをもたせる仕掛けに富んだ共有空間ですね。
吹き抜けを中心とした連続性と開放性のある空間とは打って変わって、落ち着いた和室も設けてあります。造作の収納の下部を開けることで空間に奥行をもたらし、間接照明の演出によって和める雰囲気を醸し出しています。お子さんが小さいうちは畳の部屋で遊ばせておくのも安全上おすすめです。何よりも畳でごろんとなる心地良さはかえがたいですよね。
こちらは水廻りです。高窓によってプライバシーと採光・換気を上手に確保しています。白で統一した清潔感溢れる水廻りで、天井に至るまで小口タイルを敷き詰めています。 壁に直接設置した蛇口やさりげなく置いた観葉植物がおしゃれですね。
2階です。トレーニングルームは大きな開口で吹き抜けと繋がっています。天井からぶら下がっているのは特注の懸垂棒でしょうか?テレビも設置し、充実した趣味の空間が出来上がりました。
2階廊下部分です。視線の変化に富んだ立体的な空間の繋がりと各個室への動線がダイナミックに交差する変化に富んだ間取りがユニークであると同時に、住む人同士、そして住む人と住宅空間の間に起こる様々な相互作用が楽しい生活環境や発見をもたらしてくれそうですね。
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