建物の密集する住宅地にある敷地での住まい作りには、常に様々な規制や制限がつきものです。そんな敷地に、ローコストで理想の家を持つことは可能なのでしょうか?今回ご紹介するのは、数々の厳しい条件を乗り越えて実現したお洒落でモダンな狭小住宅です。価格を抑え、小さいけれどシンプルで快適なこの住まいを手掛けたのは、大阪を拠点に活動するATELIER Mです。一体どんな様子となっているのでしょうか?さっそく詳しく見て行きましょう!
住まいのロケーションは大阪市内の密集した住宅地。敷地は、12.5坪(41.3㎡)という広さ。北と東の2方向が道路となっており、その上厳しい高さ制限もあるというかなり難しい条件となっています。住まいは1階が駐車場、トイレ、玄関そして洋室、2階はダイニングキッチンとリビング、3階は寝室と水廻りという構成で、住まいの広さはわずか8.8坪(29㎡)の狭小住宅。黒い外壁がシックでモダンなデザインのこの小さな家に、ご夫婦とネコが暮らしています。
こちらは駐車場を中心に見た住まいの外観です。高さ制限がある上に、住まいは3階建てとなっているので、駐車場の高さは1.95mと抑えた作りに。それを利用して、室内は3層のスキップフロアで構成されています。もともとは長屋だったというこの住まい。敷地のぎりぎりの境界に迫る様に隣家が建ち、さらに予算は1600万円という厳しい条件。その中で快適な住まいを実現するには相当な工夫が必要だったことを思わせます。そんな困難を乗り越えて、ローコストで小さいけれどモダンでお洒落な住宅が完成しました。
こちらは1階の玄関スペースです。住まいはこの1階がRC造、その他が木造の3階建てとなっています。清潔感を感じる白いタイルの床、コンクリート打ちっぱなしの壁、デザイン性の高い階段からなるこのエントランスホールは、モダンでお洒落な印象。階段部分は吹き抜けとなっており、そのせいか小さいながらも圧迫感は気になりません。このホワイトカラーの軽やかな階段は2階のキッチンへ続いています。
こちらは2階のキッチンの様子。アイランド型のシンプルなデザインのキッチンは、白を基調とした室内空間にスッキリと収まっている印象。高窓が設けられているため、採光は十分キッチンにも届きます。奥はリビングとなっており、スキップフロアで半階上がった位置にあります。階段部分が吹き抜けとなっているので、住まい全体に空気の流れを行き渡らせる他、家族が帰って来た時や3階に居る時も、気配を感じることが出来るので安心ですね。
キッチンから半階上がったところにあるのがこのリビング。十分な高さの天井と余計なものがスペースに一切ないため、狭小住宅とはいうもののそれほど窮屈な印象を与えません。シックな黒で統一された外観のクールな印象とは対照的に、白でまとめられた室内空間は爽やかで明るく、このリビングならいつまでも快適に過ごすことが出来そうです。