現在の日本では、耐震化・高気密高断熱の住宅仕様が増えるとともに、いわゆる「日本家屋」が多かった昔と比べ住宅のデザインは大きく変わりました。間取りや素材も新しいもの、洋のものが増えているものの、どこか懐かしさを感じる日本家屋も味わいがあって良いものです。今回ご紹介するのは、MIMASIS DESIGN/ミメイシス デザインの手がけた木造住宅のリノベーション。家の持つ趣を生かしながら、和モダンな家に生まれ変わりました。
木造古民家の趣を残しつつ、素材や窓の形状はどこかヨーロッパの田舎にあるような佇まいを感じます。2つの住宅を結ぶ石タイルの床材は、和洋どちらにもマッチ。雨に濡れた姿も美しく、あかりが灯るとほっとするような雰囲気を演出します。
もともとある躯体の柱や梁をあらわしにし、建築家は新しい空間にかつての面影を融合させました。天井も高く、広々とした玄関になりました。通り土間のようにタイルを敷き詰めることで、アンティークなムードを生かすさらに素敵な空間に。まるでカフェのテラスのようにくつろぐこともできそうです。
天井の躯体をあらわしにしたリビングは、もともとの家の素材と、新しくあしらった石材のタイルや無垢材の床が融合したモダンなインテリアに生まれ変わっています。窓際にベンチソファを備え、ソファとして使えるスペースも広々。限られた空間をすっきりと有効的に使えるレイアウトです。
バスタブをほぼ床面に埋め込み、広々とした空間が生まれたまるでホテルのようなバスルーム。自宅にこんなバスルームがあると、毎日の疲れも癒されそうです。リラックスしながらゆったりとくつろぎたくなります。
アンダーカウンター式のボウルを採用した洗面台。大理石の広々としたカウンターでとても使いやすそうです。壁面にも大きめのサイズのタイルを採用し、高級感あふれる空間です。
壁付のキッチンはワイドが広く、使いやすく動きやすいスタイルです。壁を隔ててパントリーがあり、冷蔵庫やストック品が表に見えずすっきりとまとめられました。生活感を出さず、素材感が生きるムードのあるダイニングはまるでレストランのよう。
ベッドルームはシンプルに、ベッドの空間とカウンターが。ほんのすこしでもあるととても便利なカウンターに、家具と照明がスタイルを作り上げています。木の温かみのある空間と、ウッドブラインドの組み合わせですっきりとミニマルなインテリアに仕上げられました。